経営理念・方針について

1. 私は非常に内気なので(管理職の方)業務上マイナスと思います。どうしても会議などで「相手の方を責めている」或いは「気を悪くしないかナァ」又「誤解を生じないか」等の理由により、ついつい発言が少なくなってしまうのですが、社長はこの様な場合、どのように考えられますか、又、行動されるのでしょうか。御助言、御指導お願い致します。

貴方の気持ちは100%理解できますが、結論は間違った考え、行動です。内容にもよりますが、例えば、会議は問題点があるので開催する訳ですから、少なく共、出席者の方々が衆知を集めて、最も良い解決策を出し、担当者等が決まった事を最善の努力をして実行する訳です。

その時に、確かに貴方がおっしゃる様に、この発言をすれば、その担当者を結果として責めている(?)内容も当然出てくると思います。(例、担当者の努力不足・知識・経験不足から起こった問題・判断力による問題・報告・連絡・相談不足から起こった問題・会社方針を十分に理解していない、又は、誤解によって起こる問題・セクショナリズムや、対人関係が円滑にいっていない所からくる問題等々)

勿論、事前に必要な場合(良い意味での根回し)は、担当者等と、注意、報告、連絡、相談される事は、ケースバイケースで必要であると私も思います。唯、過去においても、内気、又は、気が弱い為等で問題点を(他人を傷つける等の為)言わなかった、もしくは、遅すぎた為に会社へ多大の損害を与えたケースは何百回とあります。そうなった場合、会社の損害だけでなく、対象の方は、結果として、非常に悪い評価をされます。これを、もし、もっと早く言っていたなら対象者も救われていたと確信致します。(この事が、本当の思いやりではないでしょうか)

貴方は、ジェック報告の精神16ヵ条の特に12・13・14・15が、この場合、関係してきますが結果として、実践されていないといえるでしょう。勿論、貴方のように相談される、又は、聞かれた事は非常に立派だと思います。

少し厳しい言い方になるかも知れませんが、全社的判断力・仕事に対する熱意・愛社精神が強ければ、そのような気が弱いとか、内気とか、摩擦を恐れるとか、いっておれないと思います。 勿論、会社や上司の方は、通常その様な摩擦を恐れて、殆ど何もできないような方は、管理職(主任以上)にしませんし、又、すべきではありません。
そういう面において、貴方と反対の方はプラスの評価を致します。

具体的にいえば、例えば、役員の方、或いは、非常に出世の早い方は間違いなく貴方と反対の事をしている方です。勿論、この事だけが全てではありません。

A熱意、B能力(専門的能力・管理指導能力・全社的判断能力)、C人間性がそのポイント(昇格・昇給)になる訳ですが、このケースの場合は、全社的判断能力、管理指導能力、熱意についてマイナスの評価をされてしまうでしょう。ですから、今後頑張って成長される事を心より望んでいます。

又、話は変わりますが、会社は、社長でほぼ決まる、部門は、部門長の力量・手腕でほぼ決まる、課(係)は、課長(係長)でほぼ決まる、と思っております。
例えば、銀行の支店の成績は、支店長の力量、手腕で、大体八割位決まってしまうものだと思っております。昔は、金融機関との御取引きは、私がしておりましたので、例えば、新しい支店長に変わられた時、ご挨拶等で来社され、約2時間弱話をしたとします。
そうした時、この方が以前より成績を大幅に上げられる方か、それ共業績を下げられる方か、殆ど当たります。(勿論、人間性につきましては、3ヵ月や、半年で判断できるものではありませんが・・・・・・)

要は、リーダーの重要性を説いている訳です。

評価表の説明資料の中にありますが、「一頭の強いライオンに率いられた百頭の羊と一頭の弱い羊に率いられた百頭のライオンが戦えば前者が勝つ」という寓話です。私は全くその通りだと思っております。

唯、誤解があっては、いけませんので念の為、説明させて頂きますが、部下が普通以下で良いという事では全くありません。
やはり、部下の方を伸ばす又、強くするのは、上司の方の非常に重要な仕事の一つでもあります。(勿論、部下の仕事に対する熱意が一番重要な要素ではありますが・・・・・・)そのような意味におきまして、上司(=リーダー)の方が、ある面では、部下の人生まで、任されている(勿論、私もそうですが…・‥)といっても過言ではありません。それだけに私を含めて、上司の方は、崇高な、又、重要な任務を負っている訳であります。

ですから、部下の方に「情熱の炎」を燃やしてあげる、又、更に強い炎を燃やしてあげれば、更に部下の方は、伸びられるものと確信致しております。
私事ですが、私の場合、部下といえば主として部門長の方に、なろうかと思います。私自身、本当に真剣に彼等に接してきました。
仕事上の事は当然なのですが、やはり「その方の為・部門の為・会社の為に」注意・苦言をいわなくてはならない場合も出て参ります。
そのような場合、できるだけ率直に(=ストレート)、相手を信頼して注意するように心がけています。現在、役員になられた方の中でも、そのようにさせて頂いた方があります。

最近では、殆ど注意をする事はありませんが、(それだけ成長された訳で、私もより頼もしく感じております。)以前は非常に厳しく何回も注意をさせて頂きました。

勿論、長所を伸ばす事は、非常に大切な事であります。短所等につきましては、その方のおかれた立場により、すぐに、或いは1年後、こういうポスト(例 昇格等)についてもらおう(この方ならきっと期待と信頼に答えてくれる)・この件は3年後、この件はたぶん一生注意しなくて良いだろうと、主として、その方の事を考慮した上で、欠点の是正・注意をさせて頂いております。

勿論、この件につきましては、他の役員の方々にも、注意をさせて頂きました。やはり、そこには、両者間に、信頼と、愛情が、非常に強かったからできた訳です。(そういう面で、注意をすると、すぐに退職しますとか、精神的に非常に弱く落ち込んでしまうような方には、注意もしにくいという事になりましょう。やはり、注意をして下さる事に非常な感謝をできるような器量の大きい方に是非なって頂きたいと思います。)

それと、当社では、ストレート=率直にいう社風になっておりますので、廻りくどい表現をされる方は特に注意して下さい。(悪い評価をされますので)

特に私自身、廻りくどい言い方をされると、多少オーバーに表現させて頂くと、(この忙しい時に・・・・・・ )イライラしたり、腹立たしくなってきたり、内容により相手の方の人間性迄見えてくるという事にもなりかねないし、全くの時間の無駄になります。(時は金なり)少なく共、当社社員は、一つの経営理念に集まった同志と考えておりますので、上司に対しては、信頼されて又、つまらぬ遠慮をされないで率直に話される事がべターであると確信致します。
唯、誤解を生じるといけませんので、上司の方が部下に接する時は相手により、又、内容により、ケースバイ・ケースだと思いますので・・・・・・。(理由は、通常、上の方が器量が大きい訳ですから部下の方が仕事上、人生上において、ご相談されても、適切な助言、指導ができる訳ですが、逆に上司の方が部下の方に、全てに近い形で話される事は、マイナスになるケースも多いかと思います。)やはり、その方の現在の器量に応じて、10の内、1~9迄の間で、どの位の話をされるかは、主として上司の判断によるだろうと思います。
この件は、部下に対する思いやりで、そのようにする訳ですので善意に解釈して頂ければ幸いです。(具体例 両親が自分の子供に対し、小・中・高・大学生に対し、それにあった話と、ほぼ同じと解釈頂ければ良いと思います。)

話は変わりますが当社では、「10を聞けば10を悟る」方を望んでおります。よく「1を聞いて10を悟る」という言葉がありますが、我々は、聖徳太子でもありませんので、そのような事は望んでおりません。困るのは、10をいっても2~3しか理解していない、或いは、6~7しかわかっていない。ひどい時には、マイナスに理解されている方に対して困っております。ですから、要は、疑問・質問点があれば直接、御本人に聞けば良いという非常に簡単な事です。

それと、皆様方もそのように、実践されていると思いますが、原則として注意される時は、一対一でされる事です。勿論、注意される内容が、かなりの人数になる時は、全体の席でされれば良いと思います。
この事は、清水次郎長が、ある方に「次郎長親分の為には、命を投げ出す子分が沢山いるとお聞きしましたが、その秘訣は何でしょうか」という問いに対する次郎長の答えが「あっしゃ子分を誉める時は、皆の前で誉めやした。叱る時は、ヤクザといえども別室へ呼んで叱りました。それが秘訣ではないでしょうか」この事を、御理解頂ければ良いと思います。
それと念の為ですが、確かに社内では上司に対してストレートの方が良いと申しましたが、対外的な面は別ですので、念の為申し添えておきます。
それと、管理職・専門職の件ですが、管理職として、より力を発揮できる方と、専門職として、より力を発揮できる方がおられると思います。

会社としましては、管理職の方ばかりでも困りますし、又、逆に専門職の方ばかりでも困ります。そこの所は、バランスよくしなくてはなりません。それ故に自分にあった道を(自己申告等を利用され・・・・・・)選択されるのが、御本人にとっても又、会社にとってもべターではないかと思います。(諸事情により、かならずしも希望通りになるとはいえませんが・・・・・・)

そして、御自分の能力を最大限生かせる事が御本人・部門・会社の為にもなると思います。