ごあいさつ
株主の皆様には格別のご支援を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
2024年3月期におけるわが国経済は、約40年ぶりに物価が上昇し、マクロ経済環境の大きな変化が生じました。一方、円安を背景に企業業績は好調を持続した結果、春闘における平均賃上げ率は約30年ぶりの高い伸び率を記録し、更に2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行とインバウンドの本格回復などもあり、経済社会活動の正常化が進みました。これを受けて日銀は2024年3月、2024年春闘での大幅賃上げを確認後、マイナス金利を柱とする大規模金融緩和の解除を決定、17年ぶりに政策金利を引き上げることとなり、景気の好循環に向けた第一歩を踏み出しました。また、2024年3月には日経平均が史上最高値をつけ、株式市場も活況を呈するなど、四半世紀以上続いたデフレからの脱却がようやく現実味を帯びてきました。
不動産業界におきましては、住宅価格の上昇、世帯数・生産年齢人口の減少に伴い、当連結会計年度も新築住宅着工棟数は漸減となりました。特に「持ち家」で区分されるハウスメーカーは、販売価格が購買力を大きく上回り、着工棟数は前年同月を下回った状態が2 年以上続いており、当社の「分譲住宅」についても「持ち家」ほどではないものの力強さを欠きました。新築分譲マンションは戸建以上に建築費高騰の影響を受けて販売価格は上昇または高止まりが続いており、立地や価格帯による売れ行きの差が鮮明になりました。また、金利に関しましては、住宅ローンの固定金利は上昇しましたが、変動金利への影響は軽微でありましたので、住宅取得意欲を削ぐまでには至らず、底堅さを保っていると見ています。一方、賃貸住宅の建築や取得に関しましては、投資家による需要は根強く、着工棟数は各社とも概ね堅調に推移しました。そのような中、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注契約高及び売上高が前連結会計年度を上回ることとなり、各段階利益すべてにおいても前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。
今後につきましても、当社グループでは「社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する」という経営理念のもと、富士山のように日本一愛される企業を目指して参ります。そのために当社では、平時より経営トップが先頭に立ち、全社員が参加する健康経営を推進し、社員一人ひとりのかけがえのない健康を守る取り組みを行なっており、社員が明るく元気にイキイキと働ける環境づくりに引き続き注力して参ります。また、事業活動を通じて地域社会への貢献を着実に実践するべく、地域密着型経営である当社の事業活動とESG(環境・社会・企業統治)活動の関連性を意識した様々な取り組みを行なっております。
末筆とはなりましたが、皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
2024年6月吉日
代表取締役社長 社長執行役員 宮脇 宣綱